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東京国立博物館 平成館
東京国立博物館 平成館
〒110-8712 東京都台東区上野公園13-9

     

特別展

縄文 ― 1万年の美の鼓動 ―

JOMON 10,000 YEARS OF PREHISTORIC ART IN JAPAN

日本の美の原点。

 今から約 1 万 3000 年前、氷期が終わりに近づいて温暖化が進み、現在の日本列島の景観が整いました。 そして、その自然環境に適応した人々の営みが始まります。 縄文時代の幕開けです。 狩猟や漁撈、採集を行っていた縄文時代の人びとが、日々の暮らしのなかで工夫を重ねて作り出したさまざまな道具は、力強さと神秘的な魅力にあふれています。 本展では 「縄文の美」 をテーマに、縄文時代草創期から晩期まで、日本列島の多様な地域で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いにせまります。


会期:2018 7/3(火) ~ 9/2(日) 展覧会は終了しました。
開館時間:午前9時30分~午後5時
※金曜・土曜日は午後 9時まで。 (入館は閉館の 30分前まで)

休館日:月曜日
※ただし、3月26日(月)、4月2日(月)、4月30日(月・休)は開館。

会場: 東京国立博物館 平成館 (上野公園)



'2018 7_2 展覧会概要説明 & 報道内覧会の会場内の風景です。 画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

「縄文 ― 1万年の美の鼓動 ―」東京国立博物館 平成館

「縄文 ― 1万年の美の鼓動 ―
展覧会概要説明 & 報道内覧会 '2018 7_2
会場: 東京国立博物館 平成館


1 万年以上にわたる壮大な縄文の美のうねり 「縄文の造形」 「縄文の美」!
  

~ 約 1 万年もの長きにわたって作り使われた縄文土器の造形美の変遷 ~


「展示構成」―「縄文―1万年の美の鼓動」カタログ、 PRESS RELEASE などからの抜粋文章です―

 本展では、火焔型土器や土偶 「縄文のビーナス」 など、縄文の造形の極みともいえる国宝 6 件全てが初めて勢ぞろいします。 また、遮光器土偶や木製編籠など重要文化財 63 件をはじめとする、縄文時代に日本列島各地で育まれた優品が大集結します。

「展覧会の構成」
第 1 章 暮らしの美
第 2 章 美のうねり
第 3 章 美の競演
第 4 章 縄文美の最たるもの
第 5 章 祈りの美、祈りの形
第 6 章 新たにつむがれる美


'2018 7_2 報道内覧会 「縄文―1万年の美の鼓動」 の各章の概要と会場内展示風景です。 画像をクリックすると拡大画像でご覧いただけます。

《漆塗注口土器》
・cat. 6

第 1 章 暮らしの美―旧石器時代が終わり、縄文時代が始まってとされる約 1 万 3 千年前から、その名称は土器に施された縄目文様に由来する縄文時代は約 1 万年続いたと見られています。 縄文時代の始まりに少し遅れて氷期が終わりを迎え、日本列島は温暖で湿潤な気候に変わり、現在と同じ山や森、そして川や海といった景観や四季が整います。 当時の人びとは、この多様な自然環境を巧みに利用し、狩猟や漁撈、そして植物採集などを基本的な生業として竪穴住居に暮らし、定住性の高い生活を送りました。
土器の出現は縄文時代の幕開けを告げるものです。 土器は当初、煮炊きの道具として用いられましたが、のちに単なる容器としての機能を超えた役割を果たします。 また、弓矢に鹿角製釣針や銛というような狩猟具や漁撈具、磨石や石皿など、木の実や根菜類を磨り潰す調理具の登場も、新たな自然環境に合わせて生み出されたものです。
当時の人びとの暮らしのなかで作られた、さまざまな道具に表現された美意識を観察します。

《壺形土器》《美隆起線文土器》
左・cat. 2/右・cat. 1

・cat. 6 《漆塗注口土器》 北海道八雲町 野田生 1 遺跡出土 1 個 土製 高 31.2 縄文時代(後期)・前 2000~前 1000 年 北海道・八雲町教育委員会 /左・cat. 2 重要文化財 《壺形土器》 鹿児島県霧島市 上野原遺跡出土 2 個一対 土製 ①高 46.1 ②高 52.3 縄文時代(早期)・前 7000~前 4000 年 鹿児島県立埋蔵文化財センター /右・cat. 1 《美隆起線文土器》 青森県六ヶ所村 表棺(1)遺跡出土 1個 土製 高 30.3 縄文時代(草創期)・前 11000~前 7000 年 青森県立郷土館

・cat. 6 艶やかな朱漆で塗られた注口土器 注ぎ口をもつ器が縄文社会に定着するのは後期中頃で、注口土器は東北地方を中心に北海道から関東・北陸地方にかけて広く分布する。 左・cat. 2 縄文世界、初めての壺形土器 この二つの土器は約 6400 年前に降下したアカホヤ火山灰の下層から発見された約 7500 年前の 「平栫式土器」 と呼ばれる縄文土器である。 一般に壺形土器が多くみられるようになるのは縄文時代後期から晩期にかけてであるが、南九州の縄文人は他他域に先駆けていち早く、壺という形態を創造し、深鉢形土器とともに独自の土器文化を発展させていたのである。 右・cat. 1 はじまりの美の器 表館遺跡は青森県北東部の津軽半島の太平洋側に位置し、縄文時代草創期から後期の集落遺跡である。 青森県内にはAMS法 (放射性炭素年代測定) によって 1 万 6000 年前 (調査当時) と測定された世界最古級の無文土器が出土した大平山元 Ⅰ 遺跡をはじめ、旧石器時代終末期から縄文時代草創期の遺跡が点在する。


《袈裟襷文銅鐸》《高坏》
左・cat. 78/右・cat. 77

第 3 章 美の競演―東アジアの東端に位置する日本列島で花開いたのが縄文文化です。 狩猟や漁撈、そして採集を生業とした縄文文化は、世界最古級の土器を生み出し、世界の先史土器の中でも群を抜く造形美を誇る土器を作り出した文化ともいえます。 時期や地域によって千姿万態な縄文土器の造形美は世界的にも著名で、縄文時代中期の火焔型土器はその代表ともいえます。 一方、ユーラシアの各地では、縄文中期の時期には、すでに農耕や牧畜が行われ、金属器の生産も始まっていました。 メソポタミアでは王や権力者が収める都市文化が生まれ、職人が工房の窯で大量の土器を商品として作ることもありました。 これらの地域では、用途に応じて形作られた土器に彩色で文様を描き、表面を磨いたものが一般でした。 この章では、日本列島と、アジアからヨーロッパの土器の美の競演を、各地の文化や社会を通して、生まれた美の形を考察します。

《焼町土器》
cat. 41

左・cat. 78 《袈裟襷文銅鐸》 三重県伊賀市柏尾湯舟出土 1 個 青銅製 高 106.7 弥生時代(後期)・1~3 世紀 東京国立博物館 /右・cat. 77 《高坏》 大阪府柏原市・藤井寺市 船橋遺跡出土 1 個 土製 高 18.2 弥生時代(中期)・前 2~前 1 世紀 東京国立博物館 /・cat. 41 重要文化財 《焼町土器》 長野県御代田町 川原田遺跡出土 6 個 土製 高 56.0 (最大) 縄文時代(中期)・前 3000~前 2000 年 長野・浅間縄文ミュージアム

 左・cat. 78 「青銅や鉄の金属が弥生時代、日本列島に大陸や朝鮮半島から技術が伝わり、青銅器の鋳造がすでに行われていた。 この銅鐸は本来は金色に光り輝きながらまだ金属じたい稀少な時代、鋭い音を響かせ抜群の儀礼的効果を発揮したであろう。 右)・cat. 77 「弥生土器各地の縄文土器を下敷きに、大陸や朝鮮半島から伝わった、製作技術のあり方に日本列島の中でも、稲作の広まりとともに、徐々に影響を受けたものである。 左・cat. 41 「縄文時代中期」 を中心とする川原遺跡の集落跡は、関東山地に接する越境の要所として古来より文物の往来が盛んな地域である。 焼町土器は口縁部が波状または平縁の深鉢土器が器形の中心である。 口縁部には大型の環状突起や眼鏡状突起が付けられることが多い。


第5章王国への道
・cat. 154

第 5 章 祈りの美、祈りの形 ―縄文時代の祈りの美、祈りの形の代表が土偶です。 土偶は人形の土製品で、縄文時代の始まりとともに登場します。 当初は頭や手足は省かれていますが、乳房が表現されるため女性像であることが明らかです。 土偶が命を育む女性をかたどるのは縄文時代を通して変わらず、安産や豊穣を祈るために用いられたと考えられています。 一方、男性を象徴する造形として、石棒が前期後半に出現し展開します。 石棒には男性器を写実的に表現した例もあることから、子孫繁栄や豊穣のために作られたと考えられています。
縄文土器は抽象的な文様で飾られることが一般的ですが、人や動物をあしらうものがあります。 これらの土器は単なる容器としてだけでなく、縄文人思いを伝える器とも呼べるものです。 このほかに、親の子へ対する思いを表した手形・足形付土製品、海や山の豊穣を祈り畏敬の念を込めて作られた動物形土製品などがあります。

第5章王国への道
左・cat. 159 /右・cat. 158

左・cat. 154 《人形装飾付有孔鍔付土器》 山梨県南アルプス市 鋳物師屋遺跡出土 1 個 土製 高 54.8 縄文時代(中期)・前 3000~前 2000 年 山梨・南アルプス市教育委員会 /左・cat. 159 《釣手土器》 長野県川上村 大深山遺跡出土 1 個 土製 高 17.1 縄文時代(中期)・前 3000~前 2000 年 長野・浅間縄文ミュージアム /右・cat. 158 重要文化財 《顔面把手付釣手土器》 長野県伊那市 御殿場遺跡出土 1 個 土製 高 39.5 縄文時代(中期)・前 3000~前 2000 年 長野・伊那市

・cat. 154 「有孔鍔付土器 は平縁の口縁に鍔状の張り出しと小円孔が列状に穿たれるのを特徴とする縄文時代中期の土器である。 胴部中ほどで張る樽形を呈し、粘土紐や粘土の貼り付けによって、全身を表す人体文によって大きく装飾されている。 左)・cat. 159 「大深山遺跡は千曲川の源流に位置する川上村、標高 1300 mの高地にある縄文時代中期の集落遺跡であり、その第 15 号住居跡のすぐ北側で地面に直立するような状況で釣手形土器が出土している。右)・cat. 158 「釣手頂部 に顔面装飾を表している。



お問合せTel:03-5777-8600 (ハローダイヤル)
展覧会公式サイト:http://jomon-kodo.jp/
東京国立博物館ウェブサイト:http://www.tnm.jp/

主催:
東京国立博物館、NHK、NHK プロモーション、朝日新聞社
協賛:凸版印刷
協力:文化庁、国際交流基金、大塚オーミ陶業、大塚国際美術館、日本児童教育振興財団

参考資料:報道説明、「縄文―1万年の美の鼓動」図録、 PRESS RELEASE 他。
※画像の無断転載禁止


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